ずうぅっと観たかった『IT』リメイク版。
観たばかりのその興奮のままに、感想を書いていきます!
(2019.11.8追記)
金曜ロードショーで放送されましたね。
続編も公開されて、「ハァイ、ジョージィ」でTLが大盛り上がりw
続編をご覧になる前に、ぜひこの記事でおさらいしてみてください!
※ネタバレ満載ですのでご注意を!
今回の「IT」は、恐怖と青春の欲張りセット
古き良きホラー映画のびっくり演出に加え、これでもかというほど子どもが怖がるものを詰め込んだつくりになっていました。
真っ暗な地下室、下水溝、不気味な置物、謎の暗い絵、廃墟、暴力的な不良、ピエロ…。
もうてんこ盛りです笑
これだけならありきたりなB級ホラー映画ですが、今回の「IT」では過干渉な母親や性的・精神的暴力を振るう父親を恐怖の対象として明確に描いていました。このあたりは、安易に暗闇やびっくり演出、グロに頼らないのがさすがです。
IT観てきた!
— Jolyne (@Jolyne40536) December 29, 2017
思ってたよりめっちゃ良い!!!!
ITリメイク版は恐怖と勇気と青春の欲張りセットだった。#IT
それだけ“恐怖”にしっかり向き合っているので、少年少女の青春パートが眩しいほど尊いんですよ。
学生時代を陰キャとして過ごした私には、刺激的すぎて胸が苦しかったです…。
夏休みにみんなで泳ぎに行って?気になるあの子の水着姿に思わず見入っちゃってドギマギして?みんなで自転車に乗って遊びに行って?仲間のためにみんなで力を合わせちゃって?
…青春のテンプレですやん。スタンド・バイ・ミーやんけ。
いやいや、これ映画だから…フィクションであり、実在の人物・団体とは関係ないものやから…(震え声
とにかく眩しい青春パートと、展開がわかっててもびくっ!となる恐怖パートとがてんこ盛りの「IT」でした。
『IT』が見れる動画配信サービス
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IT=恐怖のアイコンの演出が深い
青春パートの眩しさが異常とは言え、ホラー映画らしいところについても素晴らしい出来だったので、ぜひ語らせてください。
序盤から有名なあのシーン
映画が始まってから間もなく、主人公ビルの弟ジョージが雨のなか舟を浮かべて遊ぶために外へ出ていきます。
この時点でもう悪い予感しまくりです。
そしてやっぱり舟は下水溝へ…。
「おお、もう…」って感じですね。
ジョージが下水溝を覗き込むと、こちらを見つめ返すふたつの瞳。ペニーワイズです。これぞ、「IT」ですよね!
下水溝からピエロが覗く絵面は、本編を観たことがない人でも知ってる方は多いんじゃあないでしょうか。
旧作を観たことがある方にとっては、にやにやタイムですね。
いや、めっちゃ怖いし痛そうやから笑うところじゃあないんですが。
あの耳障りな笑い声を聞くとたまりませんね!
それぞれの子どもの“IT”
ITとは、恐怖を象徴するものとして劇中で描かれています。
ピエロは共通項として登場しますが、子どもによって姿を変えて現れるんです。なかでも私が特に深読みした子どもたちのITについて考察します。
ビルの場合
ビルは、ジョージの幻を恐れていました。ジョージが居なくなったあの日、自分がちゃんと止めておけば…という後悔もあったと思います。
しかし、それ以上に劇中終盤にビル自身が言っていた「ジョージのいない家に帰るのが怖い」というのが、彼の恐怖を一番よく表していますよね。
「ジョージは死んだのは自分の責任もある」その事実を受け入れることが一番の恐怖だったのでしょう。
ペニーワイズがジョージの姿で現れたとき、ビルは目に涙をいっぱい溜めながら銃でジョージの額を打ち抜きました。
ジョージの死を受け入れたことで、ペニーワイズを倒すことができたのではと思います。
倒した後に、ジョージのカッパを見つけて泣き崩れるシーンがとても印象的でした。
恐怖に打ち勝ち、怒りを持ち、そうして最後に向き合うのが悲しみ…。
そういうもの悲しさが、ホラー映画の魅力だと思います。
ちなみに私はカッパを見つけて泣き崩れるビルに、みんなが寄り添って抱きしめるところで号泣してました。
ベバリーの場合
彼女に関しては、父親から性的暴力を受けていることを暗示する描写が度々出てきます。女子はちょっと辛くなってしまうかもしれません。
そうした状況で辛さが限界になり、ベバリーは綺麗な赤毛の長い髪を自分でけちょんけちょんに切ってしまいます。男の子のような髪型になるまで…。
そんな彼女の“IT”は、洗面台から伸びる長い髪の毛でした。
父親からの性的暴力から逃れるために、ベバリーは男の子になりたかったんだと思います。だから、女の子を想起させる長い髪の毛が恐怖の対象だった、というわけです。
本当は恋に憧れたり、男の子に甘えたりしたいけど、それは女性になる=父親の執着を強めてしまう、ということ…女性になることが怖かったのでしょうね。ベバリーは本当に辛いです。
そのぶん、父親という恐怖の対象を殺してでも自由になろうと決めてからのベバリーは強かったですね。
ペニーワイズの顔面に2度も矢(杭?)を突き立ててますから。しかも2度目なんて口にぶっ刺しましたからね。
殺す気満々ですわ
ペニーワイズの場合
最後の恐怖は、ペニーワイズ自身が感じた恐怖です。
ペニーワイズが結局幻想なのか、リアルに存在する人なのかははっきりとは描かれませんでしたが、子どもたちの恐怖を生きる糧にしていることは確かなようでした。
しかし、子どもたちが恐怖よりも勇気を強く感じたことで、ペニーワイズは子どもたちの恐怖を得ることが出来ず、底無しに見える下水溝へ落ちていくことになります。そのときのセリフが
「これが、恐怖…」
これがいいんですよ、これが!
今まで子どもたちを恐怖させてきたペニーワイズが、自身の最期に感じたのが"恐怖"だったとか深すぎじゃあないですか!?
このセリフを聞くためだけに映画館に行ってもいいくらいです。
「IT “それ”を見たら終わり」感想
今回の「IT」は、子どものころに感じていた「わけもなく怖い」という感覚を思い出せる映画でした。
『IT』は、恐怖を乗り越えるまでを描いた勇気の物語です。
原作の小説では、より「勇気を得て、本当に恐怖を乗り越える」人生が丹念に描かれています。ぜひこちらも読んでみてほしいです。
続編にも期待せずにはいられません。ペニーワイズは復活するのか、次は誰が恐怖を乗り越えるのか、妄想が捗ります。
続編を観に行く前に、ぜひ復習してみてください。
ホラー映画は怖いしグロいって面も ありますけど、ストーリーが良いものが多いですし、本当におすすめです!
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to be continued➸