部下や子どもを激しく叱ってしまうあなたにこの記事を書きます。
叱り方がきついあなたは、自分にも厳しいタイプですよね。そしてきつく叱っちゃったあとで、そんな自分が嫌になって…。
実は私も叱り方がきつくて、相手を泣かせたりヘコませたりしがちなんです。
叱りすぎてしまうたびに「今のあかんかったなあ…なんであんな言い方しちゃったんやろ…」と落ち込んでます。
私もまだまだ完璧にできているとは言い難いですけど、相手のやる気を高めるような叱り方を目指して実践していることを、あなたにもお届けしますね。
参考にして頂ければ幸いです。
理想の叱り方とは
「仕事おいては叱ることだって必要なんだよ」
「なによ、子育ての大変さの何を知ってるって言うの!」
はい、ごもっともです。
確かに「叱る」という指導方法が必要なときもありますよね。しかし、「叱る」と「怒る」を区別できない人が大量発生しているせいで、こんな批判が出てくるので、ここでちょっと整理しておきます。
私の言う「叱る」とは、
危険や損失を生みそうな状況に対しての注意喚起の意図が明確であり、その行動に対して批判すること
一方「怒る」とは、
注意喚起であるものの、その意図が伝わらないほど過剰に怒りの感情を露わにし、相手そのものに対して非難すること
と定義しています。
例えば
「車が多いところで飛び出しちゃ危ないでしょ!」
という叱り方は、「叱る」です。
「車の前に飛び出すとかあんた頭おかしいの?!」
は「怒る」です。イメージできましたか?
では、自戒の意味も込めていよいよJolyne的理想の叱り方へ進んでいきますね。
人格の否定はご法度
「何回言ってもわからないのは人間として欠陥品!!」
とはうちの社長の言葉です。品位のかけらもありませんね。
指導のために叱ろうとするとき、感情的になってしまうことはあると思います。人間だもの。
感情的になってしまうとつい怒る、に変わってしまいます。それで言いすぎてしまうことも…。
そんなときでも絶対してはいけないのが、相手の人格を否定することです。
相手の行動を注意するなら、相手は変えることができます。
でも、人格や人間性は簡単には変えられないし、人格を否定されてもどうしたらいいのかわかりづらいです。
相手を深く傷つけることになり、信頼も失っていくので、どんなに感情的になっても人格の否定はしないようにしましょう。
叱るときは具体的に!
「なんでそんなこともわからないの!?」
と子どもに怒ってしまっている親御さんをよく見かけますが、これ相手には意図が全く伝わらない叱り方なんですよね。
「なんで」と言いつつ、本当に理由が知りたいわけじゃあないですよね?どういう答えがベストなんでしょう?
大抵こうしたときは、適当な理由を言うか謝るくらいしかないです。
それでは、叱ったほうの本意である「出来るようになってほしい」という思いが伝わりません。
これが最も重要なポイントで、叱るときは、どうしたらいいのか具体的に伝えるようにしましょう。子どもが相手のときは特に、一緒に考えて、行動を変えるよう誘導するのも良いです。
叱っていたつもりが、いつの間にかストレス発散のように怒っていませんか?
具体的にどう行動したらいいか伝える、というのは簡単そうで難しいです。叱るときは常に自分を客観的に見るよう意識すると、感情的になりにくいですよ。
叱ったあとは必ずフォローする
『ラブプラス+』を始めとする恋愛ゲームでは常識なのですが、相手に対して厳しい態度ばかりとっていると好感度が下がっていきます。ああ、フラグが折れる音が…。
この好感度は、信頼度と言い換えるとわかりやすいかもしれません。
たとえ叱ったほうが正しくても、叱りっぱなしだと相手はあなたへの信頼度をどんどん下げてしまいます。
そうなってしまうと、いくら正しい叱り方をしても相手には全く届かなくなってしまうのです。
相手が聞き届けてくれるから、「叱る」が成り立ちます。それを忘れないでください。
叱ったあとは必ずフォローを入れるようにしましょう。
例えば、あなたが親で子どもを叱ったなら、その後思いっきりハグするとか「大好き」と伝えるとかがフォローにあたります。
あるいはあなたが会社の上司で部下を叱ったのなら、その後相手の話を聞いたり、なぜ叱ったのか説明したり、相手に期待していると伝えたりしてほしいのです。
フォローはご機嫌取りとは違います。
「あなたの行動を変えたかっただけで、あなた自身を否定しているわけじゃあない」と伝えるのが目的です。
「そんなことまでこっちがせなあかんの?」
と思うかもしれませんが、叱った後のフォローまでして初めて指導したと言えます。
ほら、子どものとき言われたでしょ?「家に帰るまでが遠足!」って。あれと同じですよ。
▶理想的な叱り方のポイント
- 相手の人格を否定することは絶対に言わない
- 何をどうしてほしいのか、具体的に伝える
- 叱った後は必ずフォローする
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叱責は生産性のない無駄な行為
叱責するとき、相手を鼓舞するつもりで、あるいは反骨精神を呼び起こすつもりで叱責する人が多いかと思います。
でもそれが通用していたのはバブルの時代まで!
とにかく勢いというか、体育会のノリで大半のことが解決できたような雰囲気だったからこそ、叱責という指導の仕方がまかり通っていただけです。
今は仕事に対する感覚 世代でこんなに違うの?! と驚くほど違います。
そんな指導の仕方では相手の普段のパフォーマンスを落とすだけでなく、会社などの組織に対する相手からの信頼を失うことにも繋がるのです。
そもそも、なぜ叱責なんてするんでしょう。
それは、その人の性格や状況の影響も多分にありますが、その根底には
「成長してほしい」
という思いがあるはずです。伝え方が絶望的に下手なだけで。
私見ですが、叱責する人というのはその人自身がそう指導されてきた場合が多いです。また、指導スキル(テクニック)がないという場合もあります。
ともあれ、「できるようになってほしい」「成長してほしい」という思いがあるならば、余計に叱責は逆効果です。
叱責は、相手を責めたてるだけで、なんの生産性もなく、成長も促しません。まさに、無駄無駄無駄ァーッ!!!!ですね。
叱責を続けるほどだめになっていく
生産性がない、以外にも叱責にはデメリットが多くあります。なかでも、お子さんのいらっしゃる方には特によく気をつけておいてほしいことがあります。
「学習性無力感」という言葉をご存じでしょうか?
※学習性無力感とは
努力を重ねても望む結果が得られない経験・状況が続いた結果、何をしても無意味だと思うようになり、不快な状態を脱する努力を行わなくなること。米国の心理学者マーティン=セリグマンが1967年に発表した心理学理論。
出典:学習性無力感(ガクシュウセイムリョクカン)とは - コトバンク
叱責を続けていると、できるようになるどころか相手の自己評価はどんどん下がっていき、
「がんばったらできる!」
というようなことはかけらも思わなくなります。
つまり、叱責すればするほどやらなくなり、できなくなっていくのです。
叱責を受ける側は、
「自分はだめな人間なんだ…」
と思うようになります。
出来るようになってほしくて指導していたつもりで、その人の人間性ごとを丸ごと否定したつもりはなかったのに…。
そうして育てたかった人は、その会社や家庭から逃げるように出て行ってしまいます。
でも、それは当然のことなのです。その人の心を守るには、それが最善だったのです。それほどまでに意味のない、伝わらない叱責は人を追い詰めてしまいます。
理想の叱り方まとめ
指導を受ける側に
「成長しよう」
という意志は必須ですが、叱る側も
「出来るようになってほしい」
という意図を明確にして叱らなければ効果はありません。
やみくもに叱って、相手の人間性まで否定しようものなら、相手はどんどんやる気をなくして本当に出来ないやつになってしまいます。
そうならないための理想の叱り方は
- 人格を否定しない
- 具体的にどう行動したらいいか伝える
- 叱った後は必ずフォローする
という3つでした。
最初のうちは、頭でわかっていてもちゃんと実践するのは難しいです。
でも、ここまで読んでくださったあなたは、すでに理想の叱り方が出来る人に近づいているはずです。
叱ることも叱られることもあるなかで、この叱り方を忘れずにお互いに成長していきたいですよね。
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